運動は体力向上だけじゃない。実は学力も上げる!
2023/12/12
体操教室をする前は塾講師なので、この時期になるともうすぐ受験だ!って気になります。1月1日からハチマキを巻いて授業していたのを覚えています(なつかしい(‘ω’))。今回はそんな受験生にも、これから受験生になっていく子たちにも、そして、大人の方にも大切な『運動と脳』についてお伝えします。運動はただ体力や筋力をつけるだけではありません!勉強面にも効果的です!!勉強や仕事をする前にまず走ろう(^^)/
目次
運動が集中力を上げる!
集中すれば勉強も仕事にも効果的だ。
勉強でも仕事でも集中して取り組むことは効率をあげることにつながります。ボーとしていたら、はかどらないですよね。集中できる環境を作ることも大切ですが、実は運動で集中力を高めることもできるんです!
なぜ運動をすると集中力が上がるのかというと、運動をするによって「血流量増加」「ドーパミンの分泌」「前頭葉が鍛えられる」という効果が期待できるからです。
①血流量増加
運動することにより血流が良くなります。血流がよくなると、より多くの酸素や栄養を脳に届けることができます。酸素や栄養はエネルギー源であり、このエネルギー源が多くなり集中しやすい状態をつくることができるのです。
②ドーパミンの分泌
運動すると神経伝達物質の1つ『ドーパミン』が分泌することがわかっています。この『ドーパミン』はやる気の向上や頭がさえるなどの効果をもたらしてくれるため、より勉強や今やるべきことに集中できるというわけです。
③前頭葉が鍛えられる
前頭葉は思考力や感情のコントロール、記憶や意思決定など多くの役割をもっており、集中力を高める役割もあります。運動によりこの前頭葉も鍛えることができるのです。
これらにより特に運動後は集中力が上がりやすくなります。また、運動を習慣にすれば集中力がより強化されることもわかっています。つまり、たくさん運動すればその分高い集中力が手に入るということです。
運動が学力を上げる!
点数が上がると嬉しいよね。
運動には実は学力を上げる効果もあります。なぜ学力を上げるのかをお話しする前に、BDNFについてお話します。
BDNFとは・・・
BDNF(脳由来神経栄養因子)とは脳内最強物質とまで言われる脳の栄養であり、脳細胞が死滅したり傷ついたりしないように保護してくれています。また、初期段階の細胞の生存や成長を促す、細胞の老化を遅らせるなど脳にとってメリットが大きい物質です
脳内最強物質 BDNFが最も分泌される場所は?
運動によりBDNFが最も分泌される場所は脳内の『海馬』です。
『海馬』は記憶の中枢機能で、脳に入ってくる情報を必要か不必要か分け保存したり取り出したりする役割があります。この記憶に関わる『海馬』がBDNFにより大きくなります。運動により海馬を成長さることで短期記憶と長期記憶がよくなり、より学力が上がるというわけです。
運動とストレス
ストレス社会にも運動で対抗!
日常生活で、大人も子どもも大なり小なり何らかのストレスを感じています。ストレスがたまっていて、やるべきことに手がつかない!という経験をしたことはないでしょうか?運動はストレス解消だけではなく、ストレスに対する対抗力も身に着けることができるのです。
まずヒトはストレスを感じる状況にあると、『コルチゾール』というストレスホルモンを放出します。
ストレスを感じる状況が終わると『コルチゾール』が減少し落ち着けるようなりますが、ストレスが長期間続き『コルチゾール』が放出され続けると、海馬や前頭葉が委縮してしまうのです。つまり、思考力や記憶力の低下となってしまうのです。また、海馬や前頭葉にはストレスに対応する役割もあり、この2つの器官が委縮してしまうとストレスに対応する力も弱まりさらにストレスを抱えるという、負の連鎖に陥ってしまいます。ストレスをうまく対処するために『コルチゾール』の量をコントロールする必要があります。
ここで運動の登場です。
運動も筋肉に対するストレスなので、『コルチゾール』が増加するしますが、運動が終わると運動前のレベルまで減少していきます。運動を習慣化すると、『コルチゾール』の分泌量が増えにくくなり、下がる量は多くなります。つまりストレス反応が抑えられるようになるということです。また運動を習慣化していくと、運動以外のストレスでも同じことができるようになります。
どんな運動をすればいいの?
コツコツと運動を続けよう(^^)/
どんな運動をすればいいのかどれくらい運動をすれば脳にとって良いものなのでしょうか?
その明確な答えはまだわかっていない、というのが答えです。
こらからより脳のメカニズムと運動の関係が更に研究されるにうちに答えは出てくると思います。
その上で、スウェーデンの精神科医であるアンデシュ・ハンセン氏は自身の書籍『運動脳』で次のように記述しています。
たとえわずかな1歩でも脳のためになる、ということだ。もちろん5分よりは30分のほうがいいが、5分でもまったく価値がないわけではない。あなたが楽しいと思える活動からしてみよう。
より高い効果を望むなら、最低30分のウオーキングをしよう。脳のための最高のコンディションを保つためには、ランニングを週に3回45以上行うことが望ましい。重要なポイントは、心拍数を増やすことだ。そして、有酸素運動を中心に行おう。筋力トレーニングも脳によい影響をおよぼすが、どちらかといえば有酸素運動の方が望ましい。
アンデシュ・ハンセン 『運動脳』
運動をするとドーパミンなどの物質が分泌されてその効果はしばらく続きます。ですので、運動をしてから仕事や勉強をすることがより効果的です。5分でも効果はありますが、より高い効果を得たいなら30分、最高なら45分以上とのことです。また、重要なことは心拍数を上げることです。もちろん疲労を覚えるほどの過度な運動は逆効果です。疲れると、筋肉の方に血液を多く流し脳にめぐる量が減ってしまうため悪影響になることもあります。それに、いきなり45分間ランニングしてくださいっていうのはかなり大変ですよね。まずは少しずつ。少しずつからでも脳を活性化させるために運動をしてみてはどうでしょうか?
ちなみに・・・
アメリカで0時限目に体育をとりいれた高校があります。
その体育は心拍数を上げるランニングをするという内容の授業です。その後いつも通りの授業を受けます。そして学力テスト・・・なんと、その0時限目に体育を受けた生徒のテストの結果が17%も伸びたそうです。
同じような運動と学力についての実験は他にもたくさんあり、運動が学力をあげることを証明しています。
また、体力がある子の方が集中力や学力が高い傾向にあります。
もっと運動と脳の研究が進んだら、『受験生だから部活を引退して勉強だけする!』という時代から『受験生だから毎朝ランニングをする!』っていう時代が来るかもしれませんね(^^)/
最後に・・・
運動で脳は強化されるが・・・
体を動かすって楽しいですし、運動後には爽快感のようなものを感じます。それは子どもも大人も同じです。たくさん運動すれば体力がつくだけではなく脳にもいいなんて最高ですよね(^^)/子ども達が運動したいと言ってきたら体力や心の面だけではなく“能力”の面でも大チャンスだと思って、どんどんさせてあげてください!子ども達がつかれて満足そうに寝ちゃうくらいに('ω')ノ
あと1つ大切なこと!!
運動すれば学力が上がるんだ!って思って、運動をして満足なら学力なんて1ミリもあがりません。運動をして学力が向上しやすい脳の状態を作って、ガツガツ勉強するんです!ガツガツ勉強すると学力が上がるんです!勉強もスポーツも努力が大切ですね!受験生のみんな頑張れ!!
おススメの記事